多他太 短 歌  田岡文子(山口組三代目姐)  短歌

吹きすさぶ嵐に耐えて寒椿紅鮮やかに花開くまで


山口組三代目組長田岡一雄が日本刀で殺人事件を起こし、懲役八年の
実刑で入獄した時に、一雄には愛人が何人もいた。妻の文子は刑務所
に何度も面会に行っているが、あるとき、「わたしか、他の愛人か、
決めてください」と田岡に迫った。田岡は返事に困り、「ん~ン」と
唸っていたとき、立ち合いの刑務官が田岡に向かって「何とか言えよ、
時間がくるぞ」と言葉をかけた。とうとう田岡は「おまえのこと好き
やしなー」と言った。その一言を聞いて、文子は「ようし、分かった。
八年待ったる」と覚悟を決めたそうである。刑務所を転々とする間に
何人もいた愛人も一人去り二人去りしていった。もともと無為徒食な
遊び人など文子は嫌いだったのだが、いつしかその世界の人になって
いった。    (山之内幸雄 チャンネルより)
 
 
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